【インド新規事業立ち上げ物語】(第155話)インドにおける水の危機:供給から衛生までの複雑な課題


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の開発を進め、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動の後押しを目指している
※ インド現地での動きなどについては出張の総括動画をご参照

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「水の問題」が世界にあることは、多くの人が認識済みと思う。ただ「水の問題」とは具体的に何を指すのか?ここでは(もちろん)インドに焦点を絞って状況を見ていきたい。

突き詰めると、ポイントは2点に絞られる。「供給」と「衛生」である。ただこの2つの問題が、姿を変え、様々な形で我々の前に現れてくる。

1.下水処理問題

多くの地域で下水処理施設が不足しており、未処理の下水が自然水系に放出され、水質汚染と公衆衛生の問題を引き起こしている。

2.飲み水へのアクセス

安全で清潔な飲用水へのアクセスが限られており、特に農村部では水源からの距離や汚染が大きな障害となっている。

3.地下水の過剰利用

農業や工業、家庭用途での地下水の過剰な抽出により、水位が低下し、水不足や地盤沈下を引き起こしている。

4.水質汚染

産業廃棄物、農薬、家庭排水などによる水質汚染が深刻で、飲用水や農業用水の安全性に影響している。

5.不均等な水資源の分配

地域によって水資源の豊富さに大きな差があり、一部地域では過剰な水利用、他地域では水不足が問題となっている。

6.気候変動による影響

気候変動による極端な天候、例えば長期の干ばつや集中豪雨により、水資源の可用性と品質が不安定になっている。

7.農業における水の非効率的利用

伝統的な灌漑方法の非効率性が水不足を悪化させ、限られた水資源の無駄遣いにつながっている。

8.都市化による水圧力の増大

急速な都市化により、水需要が増大し、既存の水供給インフラに過大な負荷がかかっている。

9.公衆衛生と水関連疾患

不適切な水管理と下水処理の不足が水borne疾患(水媒介疾患)のリスクを高め、特に子どもたちの健康と生存に影響している。

「水の問題」に関連するところでは、過去に以下の投稿もある。
(第138話)ウォーターATM
(第139話)インド最高水準の下水処理能力

「インド×サステナビリティ」を考える上では決して外せないもののひとつとして、引き続きこのテーマはしっかりと追いかけていきたい。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第125話)開発のアウトソースはスタートアップにとって悪か?
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