【インド新規事業立ち上げ物語】(第139話)インド最高水準の下水処理能力


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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1.最初に選ばれた20都市

現在インドは100のスマートシティを目指しているが、2016年にインド政府・都市開発省に「スマートシティミッション」として20都市が選定されたことが始まりとなっている。

この20都市にはブバネシュワル、プネ、ジャイプル、コーチ、アーメダバード、ジャバルプール、ヴィシャーカパトナムなどが含まれ、このうちの1つが今回取り上げるグジャラート州に位置するスールト(またはスーラト)、人口800万人の大都市である。尚、前回取り上げたバドーダラも同じくグジャラート州。

2016年の第一フェーズで選ばれている20都市は、水供給、下水道、公共スペースの改善が主な取り組みテーマとなっている。スールトも「再生可能エネルギーの活用増加」「スマートメーターとスマートグリッドの導入」「下水処理施設の改善と拡張」「固体廃棄物の管理とリサイクルの強化」「公共交通機関の改善と拡張」「緑地と生物多様性公園の増設」と活動領域は多岐に亘るが、中でも「下水処理」には力が入っている。

2.インド最高水準の下水処理能力

100%下水処理を目指すスールトの下水処理能力は、インドの中でも最高水準にある(テランガーナ州のハイデラバードも近いうちに下水処理100%を達成すると言われている)。

スールトの下水処理能力が高い理由は、スマートシティミッションの一環として、下水処理設備に継続的に投資を行なってきたことが挙げられる。

加えて、スールトは再生可能エネルギーにも力を入れていて、市のエネルギーの34%を供給している。この再生可能エネルギーの積極利用は、エネルギー供給の安定性を高め、下水処理の持続可能性と効率性を高めることにも寄与している(下水処理には多量の電気を必要とする)。

3.今後の展望

スールトでは下水だけではなく、固体廃棄物に対しても同じように注力している。

「市民への教育・啓発活動」「廃棄物分別のためのインフラ整備」「リサイクル可能な材料の回収促進プログラム」「リサイクル施設の拡充」といった数々の施策がある。リサイクルの重要性を市民に伝え、分別収集を促し、リサイクル業者との連携を強化し、廃棄物の減量化と資源の有効活用を目指している。

スールトを見ていると、循環型社会を目指す中で「下水処理」「再生可能エネルギー」「廃棄物回収」といった、一見バラバラなテーマが実は相互に強い関わりを持っていることが分かる。Goziokiでは引き続き、奥深いインドの社会課題の本質を見極めながら、”SALSH”を通じた貢献を実現していきたい。

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