【インド新規事業立ち上げ物語】(第54話)Moatを考える(A work in progress)


※CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆しています。

現在Goziokiでは、「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている。”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押ししていくことを意図している。

この事業を進めていくにあたっての「Goziokiの強み」としては、「海外で、各国の事業環境に合わせた座組みを迅速に構築できること」を挙げている。Goziokiメンバーの「人的な繋がり」と「行動力」を起点に、インドでは、既にパートナーを見つけて座組みも完成させている。ただこの「人的な繋がり」と「行動力」を起点としたスタイルが、未来永劫続いていくのかと考えると、疑問はある。

では、どうすれば良いのか。以下の記事(リンク先参照)では、企業の競合優位性たる”Moat”(=堀;企業を「城」に例えたときに、その城が存続し続けるための「堀」の役割を果たすもの)の必要性を説いていて、大変参考になる。
https://note.com/kenichiro_hara/n/n6fcd82c06252

Goziokiや”SALSH”の競合優位性については、経営メンバーで日々考えている。簡単に答えが出るものではないので、本投稿のタイトルも「A work in progress(進行中の作業)」としているが、今の時点での整理を一旦記載していきたい。上に紹介したリンク記事の中で触れられているポイントに沿って書いていく。

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【2023年11月19日追記】その後、Moatを更新。最新のMoatについては、本投稿ではなく、第61話をご参照。

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※これより先は、上で紹介したMoatに関するリンク記事を読んでいる前提での記載となります。

1.ネットワーク効果

3つある”SALSH”機能の1つが「企業同士の情報交換の場の提供」である。つまり「提供サービス=ネットワーク効果の発揮」となっている。(上手く機能するのかどうかの問題はあるが)”SALSH”の事業構造上、「ネットワーク効果」は担保された形になっている。

2.囲い込み/スイッチングコスト

”SALSH”は、各企業のCSRプロジェクトを管理するプラットフォームとなっていく。従って、一度取り組んだCSRプロジェクトから撤退しない限りは、”SALSH”を使い続ける必要はある。その意味では、(企業のCSRに対する考え方次第の部分もあるが)スイッチングコストは高いと言える。

3.ユーザーへのアクセス/ディストリビューションチャネル

この点については、初期的には、Goziokiメンバーの人的ネットワークを活用したマーケティング戦略になる。その先、拡大フェーズにおいては、一般的なマーケティング手法を用いていく。十分な顧客基盤を確立した後は、先のネットワーク効果もあって、マーケティングが少しずつしやすくなっていくと考える。(もちろん言うほど簡単に進む話ではないが、今の時点では何かしらの圧倒的な強みを有している訳ではないので、このような抽象的な説明に留まる。。)

4.コスト優位性

海外事業の経験が少ない企業に対して、”SALSH”のサービスは「海外案件獲得コスト」の観点で価格優位性を発揮できると考える。また同様のサービスとの相対比較の中での価格優位性で言うと、全く同じサービスがない中で(”SALSH”が今までにないようなことをしている訳ではなく、既存のサービスを、今までにないような組み合わせ方をしているので、その点において「全く同じサービスがない」と述べているもの)、”SALSH”自身がベンチマークを設けていく立場にもあると捉えている。

5.テクノロジー優位性

テクノロジーという言葉が使われているが、ここでのポイントは「継続的なサービス改善の実施可否」と理解している。その意味では、「自分自身に変化を課していく気概はありますか」という質問に読み替えることもできる。私が新卒で入社した会社でもっとも大切にされていた言葉は『現状維持は破滅である』であり、私自身もその言葉に則って、これまで多くの変化を自分に課してきた(加えて、私の座右の銘は、ジャック・ウェルチの『Change before you have to』である)。Goziokiメンバーは「変化に対して常に前向き」と、自分たちでは思っている。

以上が、今の時点での考えを言語化したものである。また、これらのことの「再現性を確保する」観点では、「人材育成」こそが会社の胆力になると考える。そして、どんなに立派な理屈を述べたとしても、最後は現場で何が起きているかである。Goziokiとしては、「現場力」は忘れずに持ち続けていたい。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第38話)単純構造では語れない国(MIRAI LAB PALETTE)

【インド新規事業立ち上げ物語】(第30話)改めて「Why India?」を考える
【インド新規事業立ち上げ物語】(第28話)「サステナビリティ取り組み」に関わる日本企業のニーズ
【インド新規事業立ち上げ物語】(第26話)インドのCSR概念を変えた日本人
【インド新規事業立ち上げ物語】(第6話)ビジネスアイディアに価値はない