【インド新規事業立ち上げ物語】(第152話)ノルウェーがインドを選ぶ理由


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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ノルウェー政府系ファンドであるThe Norwegian Climate Investment Fundと、ノルウェーの年金基金であるKLP(Kommunal Landspensjonskasse)によるインドでの取り組みについて前回前々回と書いてきた。今回の投稿では、なぜノルウェー政府系機関がここまでインドに注力するのか、その理由を考えていきたい。

1.何がしたいのか

The Norwegian Climate Investment FundとKLPは以下のようなことをインドで達成していきたいと考えている。

(1)再生可能エネルギーへの投資拡大
・インドの太陽光発電、風力発電を含む再生可能エネルギープロジェクトへの投資を増やし、国のエネルギーミックスの多様化と持続可能性を支援。

(2)温室効果ガス排出量の削減
・再生可能エネルギーの普及を通じて、インドの温室効果ガス排出量の削減を図り、国際的な気候変動対策に貢献。

(3)技術移転と能力構築
・先進的な再生可能エネルギー技術の移転と、現地での技術的能力構築を促進し、インドのエネルギーセクターの自立を支援。

(4)経済的成長と雇用創出
・再生可能エネルギープロジェクトの開発と運用を通じて、地域経済の成長を促し、新たな雇用機会を創出。

(5)持続可能な開発の推進
・インドの持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献し、特にエネルギーのアクセス向上、経済成長、気候変動対策の目標に焦点を当てる。

2.なぜインドなのか

では、なぜインドが国として選ばれたのか。その理由は次のようなところにある。

(1)大規模な市場と成長ポテンシャル
・インドは世界で最も人口が多い国であり、迅速な経済成長を遂げている。この大規模な市場と成長ポテンシャルは、再生可能エネルギーへの投資にとって魅力的な機会である。

(2)気候変動への脆弱性の高さ
・インドは気候変動の影響を受けやすい国の一つであり、再生可能エネルギーへの移行を通じて、環境的持続可能性を高め、気候変動のリスクを軽減することが重要になってくる。

(3)政府の再生可能エネルギーに対する強いコミットメント
・インド政府は、2030年までに再生可能エネルギー源からの電力容量を大幅に増加させるという野心的な目標を掲げている。投機機会の観点からこの政策的サポートは重要な意味を持つ。

日頃、ノルウェーとインドの二国は、我々のイメージの中ではあまり結び付かないかもしれない。ただ実はこのような密なやりとりがあり、改めて浮き彫りになるのはインドという国の持つポテンシャルである。

Goziokiと”SALSH”では「インド×サステナビリティ」の軸はブラさずに、このようなグローバルなビジネス環境の中でのインドの立ち位置をしっかりと追い続けていきたい。

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