【インド新規事業立ち上げ物語】(第151話)インドに吹く新風:ノルウェー投資の力


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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二回に亘ってインドの太陽光発電について、個別案件を見てきた。
(第149話)World Bankのコミットメント
(第150話)ノルウェーのコミットメント

この内、ノルウェーのClimate Investment FundとKLPは、風力発電でもインドに投資をしている。では彼らにとって、太陽光と風力の両方に注力することにどのような意味があるのか。そのあたりを含め、今回の投稿では見ていきたい。尚、今回取り上げる内容の公式リリースはこちら

1.CO2排出量の削減

Climate Investment FundとKLPが投資する風力発電プロジェクトは、年間約57万トンのCO2排出量を削減すると見積もられている。太陽光発電プラントも同様に、大気汚染と温室効果ガスの排出量を減らすことに貢献するものである。インドは世界の主要な温室効果ガス排出国の一つであり、再生可能エネルギーへの切り替えは国際的な気候変動対策において極めて重要である。

2.エネルギー源の多様化

インドのエネルギーミックスに風力と太陽光を加えることは、エネルギー源の多様化を促進する。これによりエネルギー供給の安定性が向上し、化石燃料への依存度を低減できる。風力と太陽光は補完的な特性を持っているため(例えば、太陽が出ていない時や夜間に風力発電が可能)、この両方に取り組むことで再生可能エネルギーの連続した供給が期待できる。

3.経済的な利益と雇用創出

再生可能エネルギープロジェクトの開発は、地域経済への投資となり、雇用を創出する。特に風力発電所や太陽光発電所の建設と運営は、技術者から労働者まで幅広い職種にわたる雇用機会を提供していく。これらのプロジェクトはインドのエネルギー安全保障を強化するだけではなく、様々な角度から、長期的な経済成長に寄与するのである。

4. 技術的進歩と知識移転

国際的なパートナーシップを通じた再生可能エネルギープロジェクトは、技術的進歩を促進し、地域社会に新たな知識と技能をもたらす。ノルウェーのClimate Investment FundとKLPのような外国投資者が関与することで、最先端の技術と運営ノウハウがインドに導入される可能性がある。

このように風力発電への投資は、太陽光発電と共に、インドにおける再生可能エネルギーの発展と持続可能な成長を促進する上で重要な役割を果たすものである。ただClimate Investment FundとKLPが最終的に目指すのは、どのような世界なのか。この点については、次の投稿で考察していきたい。

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<過去記事>
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