【インド新規事業立ち上げ物語】(第148話)ブレーンドレインとブレーンゲイン


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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ブレーンドレイン(Brain drain)という言葉があるが、これは高度なスキルや知識を持つ人材が、経済的な機会を求めて海外に流出することである。

逆に海外で高度なスキルや知識を身に付けた人材が自国に戻ることをブレーンゲイン(Brain gain)と言う。

この2つの言葉は、インドのエンジニアを語る際にもよく用いられる。

1.エンジニアと海外流出

インドは毎年約150万人のエンジニアを卒業させている。これに基づくと、活動中のエンジニアの総数は数年の蓄積で数百万人単位になると推定される(正確な総数は不明)。

そしてグローバル化の進展と共に顕著になっている問題に、インド人エンジニアの国際的な流出がある。例えばアメリカは世界最大のテクノロジー市場であり、特にシリコンバレーを中心に多くのインド人エンジニアが活躍している。H-1Bビザ(専門職のための非移民ビザ)の発行統計によるとインド人が最も多い国の一つとなっていて、アメリカで働くインド人エンジニアの数は数十万人にのぼると推測される。

その他にもカナダ、オーストラリア、イギリス、UAEなどもインド人エンジニアが集まる場所として知られている。

2.帰国する人たち

インドのように大量の技術人材を輩出している国では、ブレーンドレインによる人材流出が問題となる一方で、帰国する人材によるブレーンゲインも同時に起こっていて、国内のイノベーションや経済発展に貢献している。帰国した人材は国際的な視野や先進的なスキルを活かし、自国の産業や教育の質の向上に貢献することが期待されている。

以前に(第4話)インドと関わりを持ちたい人たちを記したことがあるが、今やインド人にとっても海外で活躍することだけが夢なのではなく、自国で活躍したい人たちも多い。ブレーンドレインとブレーンゲインが組み合わさることは、世界にとっても、インドにとっても、知識の活性化に寄与していると言える。

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