【インド新規事業立ち上げ物語】(第132話)『ジャイヴィック農法(Jaivik Kheti)』とサステナビリティ


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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私のインド人の友人の夫でオーガニック製品を扱う店をデリーで経営している人がいる(昨年の9月にお店も見学させてもらった)。インドでも他の国同様にオーガニックに対する関心は日に日に高まっているが、そんな中で興味を惹くのがインドの文化・歴史に根ざしたオーガニック農法の『ジャイヴィック農法(Jaivik Kheti)』である。

1.インド古来の農法

ジャイヴィック農法は、一言で言えば「化学肥料の使用を避ける」ということであるが、それに加えてインド古来の農法に由来した数多くの特徴がある。

• 多様な作物の栽培(単一作物ではなく多種多様な作物を栽培する混作)
• 有機肥料の使用(牛糞、堆肥、植物の残骸など自然由来の肥料を使用)
• 自然に頼る害虫駆除(化学的な農薬ではなく、自然の捕食者や生物的害虫駆除法を利用して害虫をコントロール)
• 水資源の持続可能な管理(雨水の収集や保存)
• アグロフォレストリー(農地に樹木を統合することで、生態系の多様性を高め、土壌の保水能力を向上させる伝統的な方法)

2.アーユルヴェーダの影響

アーユルヴェーダ(Ayurveda)という言葉を聞いたことある人もいるかもしれないが、これはインド伝統医学の一形態であり、古くからの自然との調和を重視する哲学に基づいている。実はジャイヴィック農法は、アーユルヴェーダから受けている影響が大きい。

• 全体性とバランス重視の考え(→土壌の健康、生物多様性、環境保全を一体と捉えるジャイヴィック農法に反映)
• 自然治癒力の活用(→化学的介入を最小限に抑え、有機物の分解や土壌の自然な肥沃化を活用)
• 伝統的知識の応用
• 非暴力/アヒンサの原則(→生態系に対する、化学農薬や遺伝子組換え作物を避けるといったアプローチ)

このようにインドの伝統的な考え方に基づくことで、独自のスタイルでオーガニック農法を進めたものがジャイヴィック農法となっている。

以前にも触れている通り、農業はサステナビリティの文脈でも考えていかなければならないトピックスの一つである。今後、ジャイビック農法の成功事例などもここでは取り上げていきたい。

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