【インド新規事業立ち上げ物語】(第131話)インドの再生可能エネルギーを考える


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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1.目標未達

インドは再生可能エネルギー(発電容量)に関する2022年目標を掲げていた。

• 太陽光発電 100GW
• 風力発電 60GW
• バイオエネルギー 10GW
• 小規模水力発電 5GW
→合計 175GW

しかし残念ながら2022年末時点での再生可能エネルギーの発電容量は119.6GWであり、目標未達となった。

未達の主な原因は、①不十分な投資確保、②安定しない規制、③グリッドとの接続問題、④土地取得と環境問題に関わる課題、⑤州毎のコミットメントや意識の違い、と言われている。

2.目標再設定

インドは2023年に再生可能エネルギーの発電容量実績を132GWと発表をしていて、依然として当初設定の175GWに達していない状態である。ただその一方で、2030年に450GWという意欲的な目標を新たに設けている。

インドは「カーボン・ニュートラル」の文脈において、10年前であれば「発展途上国である」との整理で、厳しい削減目標を課せられることはなかった。ところが、今ではもうそれは通用しない。むしろ、人口世界一の国として(温室効果ガス排出量は中国、アメリカに次いで世界3位)益々各国からの風当たりが強くなってくるであろう。その中にあって、再生可能エネルギーの目標達成は重要な意味を持ってくる。

排出量のネットゼロについては多くの国が2050年を目標とし、中国が2060年を目標とする中、インドは2070年という息の長い話になっている。他方で再生可能エネルギー目標は先に述べた通り高い設定(450GW)となっている。

いまインドの世界の中での存在感はとても高まっているが、それはグローバルな環境下での責任が増していることと同義である。インドと排出量削減、そして再生可能エネルギーはどこに向かうのか。世界をリードする国のひとつとして、今後もインドに注目が集まる。

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