【インド新規事業立ち上げ物語】(第107話)石炭火力発電所の建設に反対ですか?


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは、「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押ししていくことを意図している
※ インド現地での動きについては、出張の総括動画をご参照

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1.ビル・ゲイツ氏

”SALSH”はMicrosoftが大株主を務めるBuilder.aiにプロトタイプを制作してもらい、また直近では案件組成でゲイツ財団と会話を重ねている。意図してそうした訳ではないが、結果としてビル・ゲイツ氏と何かと縁がある。

そんなこともあって、久しぶりに2021年のビル・ゲイツ氏の著作”HOW TO AVOID A CLIMATE DISASTER”を見返してみたい。

本はタイトルの通り気候変動問題についてであるが、ポイントとして、①経済成長を追求することの重要性②「GHG(温室効果ガス)削減」を主張する場合の根拠③「GHG削減」インパクトの大小、このあたりを考えていく内容になっている。

2.電力供給の意味

この内、①経済成長を追求することの重要性の部分では、個人的に印象に残る記載が多く見られた。「電力供給と教育水準の相関の話」がそのひとつである。

先進国に住んでいると十分すぎる電力供給があり意識しづらいことかもしれないが、発展途上国で日々の生活のための電気も十分にない地域を考えた場合、どこまで電気がしっかりと供給されているのかと、当該地域の教育水準に相関があるということ。夜に電気が点けられれば、夜間も勉強ができるので、シンプルに学習時間を増やすことができる。インターネットがあれば、e-learningへのアクセスもできる。電気があれば、教育水準の向上に繋がり、その地域がより豊になっていくことができる。

「石炭火力発電所の建設反対!」と声高に叫ぶことは簡単であるが、電気が持つことの意味合いを深く考える必要があるのではないかとビル・ゲイツ氏は問題提起している。

電気がなく、エアコンがないために、熱射病で亡くなってしまう人たちが世界にはいる。電気がなく、冷蔵庫が使えないために、食品の衛生状態が保てず病気になってしまう人たちがいる。それでも尚、石炭火力発電所の建設に反対をしていくべきなのか。

もちろんビル・ゲイツ氏の結論は「GHGを減らすべき」であるが、その道のりは安易なものではなく、深く考察されたものであるべきとしている。

3.目的やインパクト

前回前々回に続き、今回もまた「本質」と「形式」の話であった。GHG削減やサステナビリティを謳うことはできる。「石炭火力反対」、「プラスチック製品反対」と叫ぶことはできる。ただ何をしたいのか?どこに向かいたいのか?どの程度のインパクトがそこにあるのか?「本質」を見失ってはならない。

Goziokiの”SALSH”もそういった「本質」に気するサービスにならなければならない。

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