【インド新規事業立ち上げ物語】(第144話)都市化とサステナビリティの課題


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを意図している
※ インド現地での動きについては出張の総括動画をご参照

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インドは世界で最も急速に都市化している国の一つである。この都市化は経済の成長と発展を促進しているが、同時に環境、社会、経済の持続可能性に対して複数の挑戦を提起している。都市が膨張するにつれ、交通渋滞、空気と水の汚染、エネルギー需要の増加、そして住宅不足が顕著な問題となってきていて、これらの課題に対処するため、インドは「拡大・成長モデル」から、「持続可能モデル」へのシフトを余儀なくされている。

1.現場

(1)環境への影響
• 都市化の進行は、特に空気の質と水資源に重大な影響を及ぼしている。多くの都市で、工業活動、自動車排気ガス、建設プロジェクトが大気汚染を悪化させている。加えて、不適切な廃棄物管理と下水処理が水質を低下させ、健康リスクを増加させている。

(2)経済と社会への影響
• 経済面では、都市化は雇用創出と経済活動の拡大をもたらしているが、一方では住宅不足、各種社会インフラの不足、格差拡大など、社会課題を多く引き起こしている。都市の貧困層はしばしば基本的なサービスや公共インフラへのアクセスを欠いている。

2.移行

持続可能な都市開発への移行過程において、インドが取り組む解決策の一部が以下となっている。尚、以下は5つの異なる施策ではなく、大きな一つの取り組みを異なる観点から捉えたものである。

(1)緑の交通システムの推進
• 都市交通の持続可能性を高めるために、①公共交通機関の改善と普及、②電気自動車への移行、③自転車と歩行者のためのインフラの整備が必要である。

(2)エネルギー効率と再生可能エネルギー
• 建物のエネルギー効率の向上、太陽光発電と風力発電などの再生可能エネルギー源への投資が、都市のエネルギー需要を持続可能な方法で満たす鍵となる。

(3)スマートシティの開発
• データとテクノロジーを活用して都市管理を最適化し、交通、エネルギー使用、廃棄物管理などの分野で効率性を高める。

(4)持続可能な住宅政策
• すべての市民に手頃な価格の住宅を提供するために、政府と民間セクターが協力し、持続可能で質の高い住宅ソリューションを開発する必要がある。

(5)緑の空間の創出
• 都市部での緑地の増加、垂直庭園、緑の屋根など、自然を取り入れた開発が、空気の質を改善し、都市のヒートアイランド効果を減少させる。

このように状況を見ていくと、持続可能な都市開発は環境、経済、社会の連携そのものであることがよく分かる。

Goziokiと”SALSH”では、引き続き「インド×サステナビリティ」のテーマを、更に掘り下げていきたい。

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