【インド新規事業立ち上げ物語】(第78話)レポーティングコンサル


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ 現在Goziokiでは、「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押ししていくことを意図している

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1.インドの法律

インドでは、企業は利益の2%をCSR目的に拠出しなければならないという法律がある。そしてこの法律がインドで成立するまでの背景には、ある日本人の存在が大きく影響している。そのあたりを詳しく知りたい方は第26話を見ていただければと思う。

インドにこの法律があるから企業は積極的にNGO向けに寄付活動を行い、企業からの寄付金に対して期待ができるからNGOは積極的にプロジェクトを立ち上げる。このような好循環がある。

また更に言うなら、このようにインドのNGOが積極的にプロジェクトを進めていくからこそ、Goziokiも自信を持って”SALSH”のようなサービスに取り組める。その意味では、このインドの法律の存在は、Gozioki事業にとっても計り知れなく大きい。

2.「CSR報告」は「決算報告」と同じ

ところでインドの企業は、利益の2%をCSR目的に拠出すれば、それだけで法的義務を履行したことになるのか?大枠としてはそうであるが、それ以外にも、CSR委員会の設置であったり、求められる各種報告・開示であったりがある。

これは基本的には「決算報告業務」と同じ類のものである。企業は事業を行なって終わりなのではなく、その後は決算書をまとめ、そしてその作業は毎年々々繰り返される。インドのCSRも全く同じで、CSR活動に参加した後、報告業務が待っていて、その報告は毎年繰り返し実施されなければならない。

そうすると、今度はインドに「レポーティングコンサル」が出現する。これはインド企業が、インドの法律である「CSR 2%ルール」に対応できるように支援する人たちである。ここでポイントとなるのは、レポーティングコンサルは、CSR 2%ルールに基づく報告の専門家ではあるが、CSR自体に詳しい訳ではないということ。

これも「決算報告業務」と同じに考えることができる。決算書を作成するために、税理士法人にサポートを依頼することがあるが、別に税理士法人は、企業のビジネスそのものに対して助言ができる知見(例:どこの国に進出した方が良い、どの商品への注力を高めた方が良い、など)を持っている訳ではない。

会計については税理士法人、リーガルについては弁護士事務所に相談するのと同様に、CSR報告については「レポーティングコンサル」を起用するのが、インドで見られる姿である。

3.より良い理解に向けて

Goziokiでは、企業も含めたCSR環境を正しく捉えるために、インドの「レポーティングコンサル」とも頻繁に会話を交わしている。

日本でも、まさに今年から有価証券報告書におけるサステナビリティ関連の開示が強化されるなど(第57話も併せて参照)、レポーティング周りで色々と動きがある。もちろん「レポーティング」はあくまでもアウトプット手法であり、それ自体が本質ではないが、サステナビリティやCSRを後押ししていくものであることには違いない。

Goziokiとしても企業のレポーティングについては、インドの事例をしっかり学びながら、日本の状況も踏まえつつ、”SALSH”やその他の手法を通じてどう社会(特に企業に)貢献できるのかを考えていきたい。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第71話)ESG投資は本当に死んだのか?
【インド新規事業立ち上げ物語】(第70話)「制度リスク」という名のチャンス

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