【インド新規事業立ち上げ物語】(第74話)インドは本当に「来る」のか?!

  • ※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
  • ※ 現在Goziokiでは、「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている
  • ※ ”SALSH”を通じて、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押ししていくことを意図している

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1.今年こそ?!

この【インド新規事業立ち上げ物語】を何回か読んでくださっている方は既にお分かりと思うが、私は、今から10年間はインドが世界の政治・経済の中においてもっとも重要な存在になると信じている。インドは人口が世界一、そして世界5位のGDPを誇る(アメリカ ⇨ 中国 ⇨ 日本 ⇨ ドイツ ⇨ インド ⇨ イギリスの順番)。GDPはこの先、ドイツと日本を抜いて、2028年には世界3位になるとの見立てもある。

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私はよく「今(2023年)のインドは、15年前(2008年)の中国」という表現を使っている。これは、世界の政治・経済の中における存在感の大きさ、注目度の観点から述べるものである。ただその一方で、私が社会人になったばかりの2006-08年頃から、「今年こそインドの年だ!」と毎年言われ続けてきている。「インドはいつ本当に羽ばたくのか?」は、この15年以上ずっと議論されてきた。

2.中国になれなかったインド

今から10年以上前の、2012年頃を考えたい。中国経済の成長はピークを超えたあたりであるが、依然として勢いと存在感は十分にあった。その時点では、インドはそこまでパッとしていなかった。「なぜ両国の明暗は分かれたのか?」が度々話題となった。

その際、政治体制の違いが説明として用いられることも少なくなかった。※中国は共産主義、インドは民主主義

人口が10億人も超えてくると、収拾がつかなくなってくる。そこで「共産主義」を用いることで、統制が取れ、同じ方向に向かって、迅速に進んでいくことができる。他方、人口が10億人を超えた状態で「民主主義」を推し進めようとすると、政治は貧困層に寄っていくことになり(短期目線での政策が中心)、同じ方向を向いてスピーディーに進んでいくことも困難。

また更に遡るならば、2001年には”BRICs”(2011年以降は南アフリカが加わり”BRICS”)の概念が誕生している。この時点では、ブラジル、ロシア、インド、中国が皆同じように期待されている状態であった。今、この4カ国(または南アフリカも加えた5カ国)を、並列な存在と捉える人はいないであろう。

3.気が付いたときに

世界の政治・経済におけるインドの存在を考えたとき、何か1つのtipping pointがある訳ではない。ある日を境に、「インドのことを考えないと生きていけない」、そのような状態が突如として訪れるということではない。

ジワジワとインドを意識する必要性が増していき、気が付けば、インドなしにはビジネスを考えられない状態になっている、そのように捉えている。従って、世界の動きにしっかりを目を向けていないと、インドがどこまで重要な存在となっているのかに気付くのが他の人よりも遅れてしまう。

私はよく色々な人に、「今年こそインドは来ると思うか?」と質問をするように心掛けている。最近では、「インドはもう来ている」との回答も増えてきた。

第38話で触れた内容を多少なぞる形になるが、今こそ本当にインドと向き合っていかなければならないポイントは、次のようなところにあると思う。

  • • 実際に定量的存在感が大きい(人口世界一、GDP世界5位)
  • • モディ首相の積極外交(おそらく来年も再選され更に5年間政権が続く)
  • • 米中経済対立の中におけるインドの存在
  • • グローバルサウスのリーダーとしてのインドの存在

皆さんは、どのようにインドを捉えていますか?

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