【インド新規事業立ち上げ物語】(第51話)CSRやめられない問題


※CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆しています。

1.CSR活動を定量化する

現在Goziokiでは、「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の立ち上げ準備を進めている。”SALSH”は、日本企業における『サステナビリティ経営』やCSR活動を後押しすることを目的に設計されている。

ユーザー(日本企業)の詳細ニーズを把握するために各日本企業にヒアリングをしていく際、次のように言われることがある。

  • CSR活動を通じた社会に対するインパクト(効果)を測れる必要がある。

CSRの概念が登場した当初は、「CSRに取り組むこと」に一定の意味があった。ただ今は、「とりあえずCSRに取り組んでいれば中身は何でも良い」ということではなく、効果も周囲から問われるようになってきている。そして効果を追いかけるためには「定量化」が必要となる。

何を定量化するのかは、取り組み次第である。「CO2の削減量」はもっとも分かりやすいが、「植林した本数」「ゴミ排出量の削減率」「失業率(の低下)」「伝染病の感染率(の低下)」など、解決していきたい社会課題に応じて、見ていきたい「定量」の中身も変わってくる。

2.CSRやめられない問題

CSR活動に着手することは社会的に受け入れられやすい。「本当にそれはCSRと言えるのか?」「本業の収益に比してCSR活動に投下している金額が多すぎる/少なすぎる」などの批判はもちろんいつでもあり得るが、多くの場合、CSRはステークホールダーから好意的に捉えられる。

その中で、企業は「特定のCSR活動を止めたい」と考えることもある。

  • • 十分な支援ができたので、あとは独り立ちしていってもらいたい
  • • 思ったほどの効果が出なかったので、より効果を出せるような取り組みに変更したい
  • • その他

ただ「CSR活動を止める」のは簡単ではない。「なぜ止めるのか?」「もう支援しなくて良いのか?」「CSR活動を減らして良いのか?」など批判的に見られてしまうことがある。加えて、例えば良好な取引関係にある先方の要請で取り組んでいるCSR活動は、その関係を維持するために簡単にはやめられなかったりもする。

3.CSRも「是々非々」に

ここで「CSR活動の定量化」が意味を帯びてくる。

上でも触れた通り、取り組んでいるCSR活動を止めることは必ずしも悪いこととは限らない。「十分に支援の役割を果たしたから次に進む」「より良い結果を追求するために次に進む」などポジティブな要素もある。

「CSR活動の定量化」は、企業がより是々非々にCSR活動を判断する一助になると考えている。しっかりとCSRと向き合うのであれば、時には、しっかりとやめることも重要である。CSRという名の下で、ダラダラと取り組み続けるのも本質的ではない。

日本企業がメリハリをもってCSRに取り組めるよう、”SALSH”では引き続き趣向を凝らしていきたい。

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