【インド新規事業立ち上げ物語】(第186話)クリケットがインドで国民的スポーツになったのには明確な理由がある


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の開発を進め、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動の後押しを目指している
※ インド現地での動きなどについては出張の総括動画をご参照

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イギリス植民地時代にインドで知られることになったクリケットは、今やインドでもっとも人気のある国民的スポーツである。クリケットがここまでインドで支持されるのには理由がある。クリケットという競技が持つ「柔軟性」が、インドの「多様性」を吸収できたことがポイントである。

またインドのクリケットチームが国際大会で勝ち抜くなど、タイミング的な幸運も重なっていった。

1.歴史的背景

インドは長い間、イギリスの植民地であったため、同国文化の多くがインド社会に根付いた。クリケットはその一例で、イギリス人によって紹介された後、次第にインドのエリート層を中心に人気が広がっていった。インド独立後も、このスポーツは国民の間で継続して人気を博し、インド独自の国民的アイデンティティーの一部となった。

2.成功とプライド

インドクリケットチームの国際舞台での成功も、このスポーツの人気を後押ししている。特に1983年のクリケットワールドカップ優勝は、国全体に大きな誇りをもたらした。この成功は継続していて、インドは今でも世界トップクラスのクリケット国として知られている。

3.アクセシビリティと簡便性

クリケットは、基本的なバットとボールさえあればどこでも始めることができる。これは、特に資源が限られている地域や、設備投資に多額の費用がかかる他のスポーツと比較して、クリケットがより手軽に楽しめる要因となっている。空き地や通り、裏庭でさえもクリケットのプレイフィールドになり得るため、インド全土で手軽にプレイされる文化が根付いたのである。

4.適応性の高さ

クリケットは、プレイ形式(テストマッチワンデイT20など)やルールを変更して、さまざまなプレイスタイルや時間枠に適応できる。この柔軟性は、多様な観客のニーズに応えることができ、短時間で結果が出るT20のようなフォーマットは特に現代の忙しいライフスタイルに適している。

5.地域的な同一性の形成

インドでは各地でクリケットが異なる形で受け入れられ、地域毎に特有のプレイスタイルや大会が生まれた。これはクリケットが単なるゲームを超え、地域的なアイデンティティや誇りを象徴するものとなっていることを意味している。このように、地域コミュニティ内での独自の文化的意義が、クリケットの特別な地位を確立している。

6.インド独自の社会的・文化的文脈

インドには、競技スポーツを通じて個人や地域の名誉を高めるという長い伝統がある。クリケットが提供する競争と協調のバランスは、インドの社会的価値観と深く共鳴している。クリケットが集団で楽しむことができ、地域社会や家族間の結びつきを強化する手段として機能していることも、その普及を促進している。

私もいつかインドの現地で、クリケット試合を生で観戦したいものである。

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