【インド新規事業立ち上げ物語】(第174話)“サステナビリティ”を掲げている中で


※ CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆
※ Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」である”SALSH”の開発を進め、日本企業の『サステナビリティ経営』やCSR活動の後押しを目指している
※ インド現地での動きなどについては出張の総括動画をご参照

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「インド×サステナビリティ」の文脈で、毎日メッセージを発信させてもらっている。話がインドに寄ることが多いが、”サステナビリティ”と掲げている以上は、しっかりと日本企業を取り巻く状況も追いかけ続けたいと思う。

昨年の11月には、『サステナビリティ経営』急拡大のTipping pointという観点で考察を行ったこともあった。状況は絶えず変わるので、この考察もまたいずれは古いものになってしまうが、変化についていくことがポイントであるとも考えている。

前置きが長くなったが、NewsPicksで「最前線」サステナを本気で社会実装するには?という番組をやっていたので視聴してみた。皆さんの意見も知りたいところであるが、まずは私個人の所感を以下に記したいと思う。

1.共感できた点

1) 教育レベルの話である

商品の品質に対する拘りの強い日本人と、市民社会への参加の観点から声を上げるEUの人たちの対比が行われている。そしてEUの人たちはそのように教育をされてきている背景がある。そう考えると、今我々がサステナビリティとどう向き合っていくのかは、幼少の頃の教育の時点で方向付けが開始されているとも言える。とても興味深い。

2) 企業側の最大の鍵は経営者

この言葉以上でも以下でもない。サステナビリティは企業においてはトップダウンで浸透していく部分が大きいので、「経営者で決まる」と言えるのではないか。

3) 企業ができていることをアピールするのみではなく、できていないことをアピールすることにも意味がある

各企業のホームページを見ると、「サステナビリティ」や「CSR」といったセクションは充実していることが多い。そこでは「成果」のアピールだけがされることがほとんどであるが、「失敗」や「課題」を共有することもまた、社会に対する情報発信としては意味がある。

2.やや疑問符が残る点

1) 日本で使われる「エシカル消費」という言葉

「エシカル消費」の考え方には何一つとして違和感はないが、日本でこの考えを浸透させるために「エシカル消費」という言葉を使うことが最適な方法であるのかについては、正直よく分からない。言葉はとても重要で、文字面が意味することを理解できなければ、当然にその言葉が指し示す概念を理解することもできない。「エシカル」と聞いて、多くの日本人はどこまでピンと来るのであろうか。あるいは、この言葉を使い続けることで、中長期目線で、本当の意味でこの言葉が日本人の間でも定着することを狙っているのか。

2) 「SX」という言葉

これも同じ話。サステナビリティ・トランスフォーメーションの概念に対して違和感はない。違和感があるのは「SX」という言葉の選択。デジタル・トランスフォーメーションも同じで、「デジタル・トランスフォーメーション」という言葉は世界中で使われているが、これを「DX」と省略したがるのは日本である。私には正解は分からないので、「DX」や「SX」と呼ぶことは、もしかしたらプラスに作用しているのかもしれない。ただ個人的には、現段階では、バスワード化の後押しをしているようにも映っている。

「あーでもない、こーでもない」と好き勝手に述べてしまったが、結局のところ、色々な人が様々な意見を述べて議論が生じるところが、いつでも課題と向き合うための第一歩である。引き続きしっかりと向き合っていきた。

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<過去記事>
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