【インド新規事業立ち上げ物語】(第27話)「競争優位性」の考え方


※CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆しています。(写真は東京からデリーに向かう機内にて先月撮影)

1.パイを取り合いたいのか

マイケル・ポーターの『5フォース分析』は有名であるが、その中の5要素の内2つ(業界内競争、新規参入)が「競合」に関するものである。

どのような事業であっても、進める際に必ず問われるのが「競合に対してどのように自社が優位性を発揮していくのか」である。

そして、この問いへの回答は大きく2つに分けられる。

  • 【A】洗練された領域でパイの取り合いを行うとき(例:新商品のお菓子を販売したい)
  • 【B】成長過程の領域や、需要自体を創出したいとき(例:NFTを活用したビジネスを始めたい)

ここで【A】の場合、「他社になくて自社にあるものは何か」が徹底的に問われる。それは圧倒的な「機能」の場合もあるが、長年活動してきたことによって構築された「ブランドイメージ」という名の「信用力」かもしれない。

【B】のケースでは状況が異なる。成長市場であれば、競合と全く同じことをするだけで成功することがある。逆に、差別化を図ろうと競合と異なる動きを取ることで、「異質なもの」との印象を市場に対して与えてしまい、失敗するかもしれない。「他社になくて自社にあるものは何か」が徹底的に問われている訳ではない。

2.需要自体を創出したいとき

では逆に何が問われているのかと言うと、一言で言えば、「どのように市場全体を盛り上げていけるのか」である。

そして【B】の世界では、【A】の世界と比べれば、同じ業界にいる競合が「同志」となる可能性が高くなる。

  • ● 競合が活躍して市場全体が盛り上がれば、結果として自分たちにも恩恵がある
  • ● 自社と競合の間で、それぞれ不足している部分を補い合えれば、双方がレベルアップすることができる

3.インドの競合

Goziokiは現在”SALSH”と呼んでいる「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」の立ち上げ準備を進めている。将来的にはグローバルなサービスに育てていきたいが、まずはインドのプロジェクトを取り込むべく動いている。

インドで様々な事業者と話をしていると、場合によっては「競合」にもなり得るような相手に出くわすことが度々ある。

  • ● 寄付プラットフォームを運営する事業者
  • ● サステナビリティに特化したSNSを運営する事業者
  • ● サステナビリティに特化したE-learningプラットフォームを運営する事業者
  • ● その他

そしてそのような事業者に出会う度に思うのが、「既に我々が考えていることを実践している事業者がいたのか!」ではなくて、「この相手と、Win-winになるような形で、上手く連携できないだろうか?」である。

前回の投稿で触れたように、インドのCSRはまだ成長過程にあり、同様に日本の『サステナビリティ経営』も成長の途中である。この領域で勝負をしていくと決めた”SALSH”にとって、「競合」とは、市場を共に盛り上げる「同志」なのである。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第23話)概念図
【インド新規事業立ち上げ物語】(第19話)「現場感」と「現場力」
【インド新規事業立ち上げ物語】(第18話)インドは15年前の中国である(?)