【インド新規事業立ち上げ物語】(第35話)「CSR」と「CSV」


※CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆しています。

1.企業と社会課題解決

「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」という言葉が一般的に使用されるようになってから、もう20年以上が経とうとしている。またCSRと対になる言葉として、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授が提唱する「CSV(Creating Shared Value:企業活動を通じた社会的価値創造)」の考え方も定着しつつある。

少し乱暴に単純化するならば、CSRは企業による「本業以外での社会貢献」、CSVは企業による「本業を通じた社会課題解決」となる。

CSVは企業にとってのひとつの理想形であるが、これだけで社会を動かしていくことはどうしてもできないので、その補完としてCSRが存在している。

2.CSRで「何を」するか

ところで、CSRは「企業の本業とは必ずしも関係のないもの」だとすると、どのような内容であっても良いのか。CSRとして「何をするのか」はしばしば、企業にとっての悩みであったりする。

「いくら何でも企業の本業と全く関係のないことをやる訳にはいかない」という考え方もあり、これはこれで理解ができる。たとえ間接的であっても、CSRの取り組み内容が企業の本業と関連していれば、社員としても「なぜ自分の会社がこういったCSRに取り組んでいるのか」納得感を覚えるであろう。

ただ、CSRの内容が本業と極端に関連性の高いものになると、社外からは「それはCSR(=社会貢献)ではなく、本業(=ビジネス)なのではないか」との指摘を受けてしまうかもしれない。CSRで「何をするのか」は、実は難しい。

3.正解はない中で

その上で考えていきたいのは、仮に「CSRがビジネスになっていった」としたら、それは悪いことなのか。「CSRがCSVに昇華した」と捉えることもできる。またビジネスを通じて社会課題の解決を図っていくことこそが、企業の使命であると主張することもできる。

これらを踏まえると、企業のCSRと本業との関連度合いについては、正解はないように思う。本業と関連性の高いことをCSRとして取り組んだとしても、あるいはそうでなかったとしても、結果としてサステナビリティに寄与しているのであれば、それは社会にとってプラスとなるためである。

Goziokiでは「サステナビリティ教育・支援プラットフォーム」の”SALSH”の立ち上げ準備を進めており、日本企業のCSR取り組みの後押しをすることを目指している。その際に、「どのような取り組みであれば企業にとって納得感のあるものなのか」は一つのポイントとなる。正解のない問いではあるが、Goziokiとしては各企業の置かれた立場にしっかりと寄り添い、共に社会課題の解決を実現していければと考える。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第30話)改めて「Why India?」を考える
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