【インド新規事業立ち上げ物語】(第14話)『サステナビリティ経営』と『CSR』の違いを考える


※CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆しています。

1.両者の共通点

『CSR』は企業の社会的責任を意味し、乱暴に言えば「良いことをしましょう」となる。

『サステナビリティ経営』で追求するのは持続可能性で、これまた乱暴なまとめ方をすると「続くようなことをしましょう」となる。

そして取り組みの中身が本当に「良いこと」ならば、誰もがそれが「続く」ことを望むであろう。逆に「続く」ことをしようとすると、それは「良いこと」である必要がある。

そう考えると『CSR』と『サステナビリティ経営』は間違いなく同じベクトルを向いている。ただ切り口が少し異なるだけ。

2.両者の違い

一方で『CSR』と『サステナビリティ経営』の間には分かりやすい違いもあり、それは「時間軸」と「対象範囲」。

【時間軸】
『CSR』は「今、良いことをしましょう」なので、目先を意識している。『サステナビリティ経営』は「続くようなこと」なので、長期的な視点に立っている。

【対象範囲】
また『CSR』では、「良いこと」であれば、ある程度どのような内容もその対象として認められる。たとえそれが企業の本業からかけ離れたものであっても。『サステナビリティ経営』では、企業の本業を持続可能なものにすることに主眼を置いているので、本業と関係ないことをしてもその対象には含まれない。

「CSRの一環として社員がゴミ拾いボランティアに参加しています!」と言うことはあっても、「サステナビリティ経営を実現するために社員がゴミを拾いボランティアに参加しています!」とはあまり言わないのではないだろうか。

3.ボランティア活動は『サステナビリティ経営』の一部か?

ただ、どこまでを『サステナビリティ経営』の範疇と定義するのかは難しい。これは『サステナビリティ経営』では二段階の取り組みが考えられるため。

  • ① 企業の本業をサステナブル(持続可能)な形に持っていく(例:自社工場からの二酸化炭素排出量を減らす努力をする)
  • ② 本業をすぐにはサステナブルな状態に持っていけない場合は、短期で取り組めることに着手しつつ、中長期で本業がサステナブルになるよう努力を継続する(例:工場からの排出量をいきなりゼロにはできないが、その他の二酸化炭素削減プロジェクトに取り組み、企業全体としての排出オフセットを実現する)

先ほど「ボランティアは『CSR』に該当するが、『サステナビリティ経営』には含まれない」と述べたが、上記②の位置付けに基づけば、ボランティアも『サステナビリティ経営』の一部と言えるかもしれない。

また「本業とは関係しないボランティアは『サステナビリティ経営』には含まれない」とも述べた。ただこちらも、一見すると本業と関係ないことが、長い目で見れば(例えば地域貢献を通じて)関係してくることもある。

以上を踏まえると、ボランティア活動も『サステナビリティ経営』と言えることになる。結局、大切なのはしっかりと目的意識を持って取り組むことなのである。

4.Goziokiがやりたいこと

ここまで述べてきた通り、『CSR』と『サステナビリティ経営』は相反する概念ではなく、むしろ同じベクトルを向いている。

Goziokiでは、社会課題の解決には「時間がかかる」こと(=長期戦)や、だからこそ「教育」が重要であることに焦点を当てている。

このため、自社取り組みの”SALSH”(Sustainability Action Learn & Support Hub)では『CSR』よりも『サステナビリティ(=長期的な視点)』を前面に押し出している。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第1話)なぜインド?
【インド新規事業立ち上げ物語】(第2話)”SALSH”
【インド新規事業立ち上げ物語】(第3話)ESGは贅沢品である。
【インド新規事業立ち上げ物語】(第9話)経営とは少し離れたところにポツンとサステナビリティが位置している日本企業