【インド新規事業立ち上げ物語】(第12話)企業が『サステナビリティ経営』を推し進める理由を分解する意味


※CEOブログの一環としてGozioki代表の吉田が執筆しています。(写真はインド式フィルターコーヒーで休憩中@ムンバイ)

1.どこまでやれば十分か

インドの場合、企業が『CSR(企業の社会的責任)』と向き合う際の5W1Hが決まっている。

  • 【WHO・誰が】法律で定められた売上、利益、純資産の基準に達した「CSR取り組み対象企業」
  • 【WHAT・何を】CSR活動に取り組む。「CSR」の対象となるものが明確に定められているので、対象領域の中で対応に当たる
  • 【HOW・どのように】利益の2%以上を拠出する。自社で取り組みを進める形でも、定められた金額をNGO団体に寄付し、NGO団体を介した間接的な取り組みでも構わない
  • 【WHERE・どこで】インド国内(地域貢献の観点から、本業が進められている場所の近隣地域が推奨される)
  • 【WHEN・いつ】「CSR取り組み対象企業」の基準に到達した年度の翌年度
  • 【WHY・なぜ】法律で定められているため

この場合、企業がCSRに取り組む必要がある/ない、そしてCSRの活動量が十分/不十分が全てはっきりしている。WHOとHOWが定義されているので。

2.能動的か、受動的か

次に日本企業が『サステナビリティ経営』に取り組む理由も考えていきたい。『CSR』と『サステナビリティ経営』は同義ではないが(サステナビリティの方がより広範かつ長期的)、日本では『サステナビリティ経営』が企業においてよりフォーカスされる傾向があるため、この観点から考察していきたい。

企業が『サステナビリティ経営』に取り組む理由としては、純粋に社会課題を解決したいという「能動的な理由」と、社会から求められているからという「受動的な理由」がある。もちろん、両者の境界線は曖昧ではある。例えば、当初より「地域社会に貢献したい」と思っている場合と、「地域社会からの期待を感じたので頑張りたい」と思うようになった場合で、どこまで何が違うのか。

また「我が社は能動的なモチベーションしか持っていません!」と主張したくなるかもしれないが、「受動的な理由」があることを認めても特段問題ないと個人的には思っている。

結局、どの目線での取り組みなのかを明確にすることで、企業としてのレポーティングが変わってくる。自社のホームページでアピールしたいのか、統合報告書に記載があればそれで十分なのか、等々。「受動的な理由」があることを認めることは、企業として「誰の」「どのような期待」に応えようとしているのかを正しく理解することでもある。

では「日本企業として具体的に何をすれば良いのか」を、この次の投稿で考えていきたい。

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<過去記事>
【インド新規事業立ち上げ物語】(第1話)なぜインド?
【インド新規事業立ち上げ物語】(第2話)”SALSH”
【インド新規事業立ち上げ物語】(第3話)ESGは贅沢品である。
【インド新規事業立ち上げ物語】(第9話)経営とは少し離れたところにポツンとサステナビリティが位置している日本企業