【CEOブログ】インドシナ半島で何が起きているのか?

1. ダウェイ経済特別区

Southern Eastern Corridorというものを聞いたことありますでしょうか?これはインドシナ半島を横断する道で、半島の東側にある南シナ海と、西側にあるアンダマン海を繋ぐものです。東側から順に、ベトナム→カンボジア→タイ→ミャンマーの国々を通過します。この道がしっかりと整備されれば、インドシナ半島を横断する物流ルートとして、非常に価値があるものとなります。例えばタイからインド、スリランカに向けてなど、一気に流通効率が上がります。

上の図にある通りですが、タイのバンコクから最短距離で西側のアンダマン海に出ようとすると、ミャンマーから海に出る場所は「ダウェイ」となります。現在人口15万人ほどの都市ですが、ダウェイはSouthern Eastern Corridorの西側の出口として一気にその注目度が近年増しています。

ダウェイの港及び周辺地域は、2008年にミャンマーとタイの両国政府合意下でSEZ(Special Economic Zone=経済特別区)として開発されることが確認されています。それから10年以上が経過していますが、様々な理由により開発が頓挫しております。今回は、①Southern Eastern Corridorのタイ国境/ダウェイ間の道路整備状況、②SEZ内の開発状況、③ダウェイ港の開発状況、これらを直接確認してまいりました。

2. SEZは今

2019年8月21日(水)にダウェイSEZ(経済特別区)を視察いたしました。


↑こちらがダウェイ港とタイ国境を繋ぐ道となります。道自体は繋がっていますが、舗装はされていません。


↑こちらがSEZ内の様子です。倉庫や各種プラントなど、計画にある建設は何も進んでいないようです。


↑こちらが港の様子です。特に開発は進んでおらず、大型船が停泊できるような状況にはありません。

以上のように、今回の視察でSEZの開発は実際に頓挫していることが確認できました。ただし「バンコク経由でインドシナ半島を横断するために必要な港」という立地条件の優位性に変わりはありませんので、引き続きその開発が注目されます。過去10年間は動いていませんので、この先10年間も動かないかもしれません。あるいは政府が動きを後押しする、開発資金が集まるなど、何かしらの理由を受け短期間で一気に開発が加速するかもしれません。何れにせよ、今後も注視します。