【CEOブログ】ミャンマーの高校生は大学をどう選ぶ?
1. セーダン試験で決まる大学選択
ミャンマーでは、ほぼ全ての大学が国立であります。そしてこれまでは日本の公立小・中学校のように、居住地域によって進学する大学が決められていました。日本の小・中学校でも同じかもしれませんが、中には親族の住所を借りて、自分の本来の学区とは異なる地域の大学に進学する者もいました。現在この「学区制度」はなくなり、学生は自らが希望する大学へと自由に進学できるようになったのです。
高校の全授業が2月に終わった後、3月中旬に「セーダン試験(Matriculation examination)」と呼ばれる全国統一高校卒業試験が実施されるのですが、なんとこの試験の合格率は3割未満であります。つまりミャンマーでは「高校修了を認められ、大学入学資格を獲得する学生」が、毎年3割未満ということなのです。ここ数年の数字を見てみると、年間約80万人がセーダン試験を受験し、約24万人が通過するという状況です。セーダン試験合格者は、点数上位者から順に大学選択権が与えられることから、セーダン試験の結果が良い学生ほどより「良い大学」へ進学することとなります。ちなみにミャンマーの教育システムは日本とは異なり、大学入学は16歳、大学卒業は学部により20-22歳となります。
2. 良い大学とは?
ミャンマーで「良い大学」とは、「良い就職先を約束してくれる大学」と考えられています。そして「良い就職先」に就けると考えられているのは、医者やエンジニアなどの専門職です。なので、セーダン試験の点数上位者は、医科大学、工科・コンピューター大学へと進学します(University of Medicine 1、Yangon Technological University、University of Computer Studies Yangonなど)。
また外語大学(Yangon University of Foreign Languagesなど)も人気の先であります。外国語を習得することで外資企業への就職の道が開かれるからです。
総合大学はどうでしょうか?こちらも同じで、「良い就職先」へ繋がり易い学校ほど人気が高いです。この辺りは日本と似てますね。「企業は有名大学の学生を積極的に採用しようとする」→「学生は有名企業への就職がし易い有名大学に行きたがる」→「有名大学の学生レベルが相対的に高くなり、企業の採用モチベーションが更に高まる」という好循環が生まれるのです。
このような学歴に対する見立てもあり、親世代は「成績が良い者は医科大学や工科大学に進学するのが当然」との固定観念を強く持っています。そしてミャンマーでは、子供は親の言い付けに素直に従う文化があるので、親の期待に応えるべく成績優秀者は医科大学、工科大学へと進学します。ただし成績が優秀でも本人が必ずしも医者になることを望んでいるとは限りません。近年「医学部に進学するが卒業後に医者にはならない」といった学生も増えてきているは、このような背景によるものであります。
3. Goziokiは何をする?
先に述べた通り、学生たちは工科大学や外語大学に行き何かしらの専門性を高めていくことを望んでいます。Goziokiはこれら大学で日本語や日本文化を教え、学生たちには元々学んでいた専門領域に加え、「日本」という新たな切り口での専門性を高めてもうらことを狙っています。これは学生たちの就職市場での価値向上にも寄与するものであります。