【CEOブログ】いつか40代になる君へ

1. 政治の世界

ロシアのプーチン大統領が初めて大統領になったのは2000年、47歳のときです。アメリカの前大統領のオバマ氏が大統領になったのは2009年、47歳のときです。ロシアやアメリカのような巨大国家のリーダーでも40代で務まるのです。これはプーチン、オバマといった限られた例だけを捉えて言っている訳ではありません。アメリカの歴史を辿っていくと過去には、1993年に46歳で大統領に就任したビル・クリントン、更には1961年に43歳で大統領に就任したジョン・F・ケネディーなどもいます。「世界最大の経済大国であるアメリカのリーダー」が40代で務まるということは、もう少し小さな国であれば、もう少し若い年齢でもリーダーは務まるのかもしれません。2017年、フランスでは39歳の大統領、オーストリアでは31歳の首相が誕生しています。

2. ビジネスの世界

ビジネスの世界ではどうでしょう。世界を見渡すと10代の社長もいれば、80代の社長もいます。スタートアップでは10〜30代の比較的若い社長も多いですが、さすがに社員が連結で10,000人を超えるような大企業になってくると「19歳で社長」とはいかないかもしれません。「典型的な大企業」では何歳ぐらいで社長が務まるものなのでしょうか。私が尊敬する経営者にジャック・ウェルチがいます。「Always over-deliver」「Change before you have to」と数々の名言を残していますが、彼は1981年に45歳でGeneral Electric(現時価総額700億ドル)の社長に就任しています。カーリー・フィオリーナは1999年、44歳でHewlett-Packard(現時価総額300億ドル)の社長に就任しています。つまり、スタートアップとかではなく「典型的な大企業」であったとしても、40代の人間であれば能力・経験値の観点からリーダーは充分に務まるのです。「50代・60代にならないと巨大組織のリーダーは務まらない」ということはあり得ません。これは私の意見ではなく、客観的事実です。40代で「アメリカ大統領」になる人がいるときに、40代で「ひとつの会社の社長」にもなれないような状況が仮にあったとしたら少し不思議ですよね。

3. 20代でやるべきこと、30代でやるべきこと

さて世の中、上には上がいくらでもいますし、下には下がいくらでもいます。我々は人としての成長を重ねていきたいですから、どうせなら上を見て、40代でリーダーになった人たちを見習っていきたいものです。別に「大統領になりましょう」とか「社長になりましょう」と言いたいものではありません。大統領や社長は飽くまでも「肩書き」であって、重要なのは「役割」です。私が言いたいのは、「自分なりのリーダーシップをしっかり発揮できる立場に自分の身を置きましょう」ということです。そして結果的にそれが達成されるのは20代・30代かもしれませんし、40代・50代になるかもしれません。ただ少なくとも「40代は、世界の巨大企業の社長を務めていたとしても不思議ではない年齢である」と意識してあげると、自分がいま体現している「社会人としての成長スピード」をしっかりと評価してあげることができるのではないでしょうか。40代で文句なしの力量を身に付けおくために30代で何をするべきか、そのためには20代で何をするべきか、これらのことを意識してあげると良いのかもしれません。人間は、目的地があれば死に物狂いでそこに向かっていくことができます。逆に目的地がないと、本気で走ることができません。繰り返しますが、「何歳までにどのような人間になっていたいのか」、そして「そのために今すべきことは何か」。