【CEOブログ】2026年定点観測:北海道における投資レイヤーの重なり


※エスコンフィールドで西川遥輝選手(#7)のユニフォームを着てオープン戦を観戦

2026年3月20日〜22日の日程で札幌・千歳圏の視察を行った。それを踏まえ、今回の投稿では「北海道における投資レイヤーの重なり」について触れていきたい。

1.北海道における投資レイヤーの重なり

何かと注目の集まる北海道であるが、以下のようなエリア別の「投資レイヤー」が存在する。

【札幌・千歳エリア】産業政策と都市開発が重なる中核エリアである。半導体をはじめとした国家主導の産業投資と、Fビレッジに代表される民間主導の都市開発が同時に進行しており、人・モノ・資本が集まりつつある。

【ニセコ】外資資本と富裕層需要が主導するリゾートエリアである。ニセコの街自体は従来から存在していたが、1990年代後半〜2000年代前半にかけて海外からの観光客によってその価値が再定義され、現在では国際的なリゾート地として確立されている。

【石狩エリア】データセンターと電力インフラが集積するインフラエリアである。札幌近接という立地に加え、冷涼な気候や土地余白を背景にデータセンターの立地が進み、それに伴い再生可能エネルギーの開発も進展している。

もちろんこれらは飽くまでも一つの整理であって、北海道の各地域をどう位置付けるのかについては多様な見方があり得る。

2.北広島には未来がある

3つのエリアがあるが、今回の視察は「札幌・千歳圏」を中心としたものであった。その中でも、まずはFビレッジを見ていきたい。

日本のプロ野球チームである日本ハムファイターズは本拠地を、札幌市郊外の札幌ドームから、北広島にあるエスコンフィールドへと2023年シーズンから移している。エスコンフィールドは単なる球場に留まらず、そこを中心とした「Fビレッジ」を作るべく、都市開発プロジェクトが進行中である。

球場内や北広島駅にも既に宿泊施設があるが、2027年にはFビレッジ内にホテル「DHAWA」の開業が予定されている。更に2028年には、JR新駅開業、北海道医療大学の移転、商業・オフィス施設の開業、タワーマンション「エスコンフィールドタワー」完成と、新たな動きが続々と予定されている。

またVCであるScrum Venturesが中心的に関与する「HFX (Hokkaido F Village X)」は、世界中からスタートアップを募り、Fビレッジを実証実験の場として活用しながら、地域の発展に寄与することを目指す取り組みである。

このように盛り上がりを見せるFビレッジであるが、今年開業4年目にして、私も初めて訪問させてもらった。現地を見て最も印象に残ったのは、「若い労働力の多さ」である。エスコンフィールドのみならず、北広島駅周辺のホテルや商業施設においても同様の傾向が見られた。これは単なる人手の話ではなく、地域としての持続可能性を示唆している。

3.札幌・千歳圏の構造的優位性

Fビレッジに加えて、札幌・千歳圏で忘れてはならないのがラピダスの存在である。日本発、世界最先端の半導体ファウンドリを目指す同社の動きからは目が離せない。

ではなぜ札幌・千歳圏には、ここまで見てきたような産業政策、都市開発が重なりつつあるのか。大きくは4点に集約できるように思う。

【土地余白】Fビレッジやラピダスに見られるような大規模開発は、北海道の「土地余白」があるからこそ成立している。広大で制約の少ない土地が、初期投資のみならず将来の拡張余地までを前提としたプロジェクトを可能にしている。

【空港接続性】北海道の玄関口である新千歳空港は、国際線と国内線が同居する北海道最大の空港であり、人・モノ・資本が国内外から流入する重要な結節点である。空港からFビレッジまでは1時間はかからず、ラピダスに至っては車で10〜15分の距離にあり、都市・産業との近接性も高い。

【国家主導の産業投資】日本政府から2027年度までに累計3兆円近い支援を受けるラピダス。その拠点が千歳に設けられたことで、関連企業を含めた投資マネーや産業の集積が生まれつつある。国家主導の産業投資が、地域の構造そのものを変え始めている点が重要である。

【都市規模】東京、横浜、大阪、名古屋に次ぐ人口日本第5位の都市である札幌。その札幌市と新千歳空港を結ぶエリアが札幌・千歳圏である。一定の都市規模が既に存在することで、人材・消費・情報といった基盤が整っており、産業投資を受け止める受け皿となっている。

以上が今回の視察を通じて得られた整理である。札幌・千歳圏を中心とした観察に基づくものであり、北海道全体を網羅するものではないが、今後他のエリアについても可能な限り詳しく見ていきたい。

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