【CEOブログ】2年間「コロナ禍」生活を送った私たち(2022年2月17日の記録)

新型コロナウイルスの感染拡大に振り回される生活を送るようになってから間もなく2年が経過しようとしている。そしてこの2年間を振り返ってみると、その時々で我々とコロナの向き合い方・付き合い方は変化し続けてきた。今回この投稿を記す目的はただ1つ、「記録」することにある。今現在の「当たり前」を記載することで、時間が経過した後に「2022年2月の時点ではあのように状況を捉えていたのか」と思い出すきっかけにできればと思う。

1.切り替えられない国

2020年に新型コロナウイルスの感染拡大が始まった後、各国が取った政策はロックダウンや水際対策を含む移動制限を通じた「抑え込み」であった。そしてこの「抑え込み」を長期に亘って継続することで見えてきたのが「移動制限を通じた政策の限界」である。移動制限を開始した当初は、この手の「抑え込み」に効果があるようにも思われた。ところがデルタ株など変異株が次々と現れると、「ロックダウンなどの移動制限を行なったところで、感染拡大を完全に食い止めることはできない」ことが徐々に証明されていった。

そもそもロックダウンは永久に続けることはできない。そこに加えて「ロックダウンを行なったところで感染拡大は食い止められない」ことが分かったとき、コロナウイルスの「抑え込み」は遂に限界を向かえた。そこで次の手として今考えられているのは「集団免疫」である。もちろん感染爆発が続き、ロックダウンに突入せざるを得ない国は依然としてあるが、それでも一昨年と比べればロックダウンが見送られるケースも世界的には増えてきている。世界は「抑え込み」から「集団免疫」に作戦を切り替えたのである。

我が国、日本の状況は如何であろう。日本は、各国が次々と「集団免疫」に作戦を切り替える中、粘り強く「抑え込み」に固執している国の1つと言えよう。水際対策はどこよりも厳格である。私は政治家ではないので、なぜ作戦を切り替える意思決定ができないのかは分からない。首相のリーダーシップ不足なのか、あるいは日本という国ではシステム的に大きな意思決定ができないのか、それとも科学的根拠に基づいて「抑え込み」の方が有効であると判断しているのか(前首相である菅氏は科学的データを判断の根拠にすることが多かったと聞いたことがあるが、今の首相については分からない)。

一方で外国人の入国制限は今月末で終わるとのニュースも出ていて、来月以降、日本がいよいよ作成変更に打って出ていく兆しもある。何れにせよ、日本の作戦変更の遅れが、後々になって後悔を招かないことを願う。

2.感染日

新型コロナウイルスは時間の経過の中で、その毒性が徐々に弱くなり、最終的には季節性のインフルエンザのような扱いになるであろうと言われている。ただ今の時点では、感染したら隔離が求められ、濃厚接触者についても同様である。そして新型コロナウイルスに感染した場合、4つの日付を考えなければならない。

① 感染日(これは正確には分からないが、推定は可能)
② 発症日(無症状の場合は分からない)
③ PCR検査日
④ 陽性が判明した日

自分が感染した場合、もっとも重要になってくるのは①である。この①を知ることで、「自分が原因で濃厚接触者になってしまった人は誰なのか」を考える必要があるからである。但し現在のように感染者数が増えている状況下では、おそらく原因として思い当たるものが多すぎて、①の正確な日付は分からない。それでも②の日付を根拠に、推定することはできる。症状が無症状の場合は②も分からないが、それでも③④の状況から推定を試みることはできる。

②と③と④の間にそれぞれどれくらいの日数間隔があるのかは人それぞれであり、また元々自分が濃厚接触者であるのか否かによって、体調に変化があった際に②と受け止めるのかどうかも変わってくる。自分が②に該当すると思った時点で普段自分と関わりがある人に連絡を入れるのが理想的と思うが、それが難しい場合でも、③の時点では周囲にしっかりと伝えていくのが良さそうである。

3.濃厚接触者

この2年間「コロナ」という言葉を聞かずに過ごした日はなかったかと思うが、同様に「濃厚接触者」という言葉を聞かずに過ごした日もなかったのではないか。そしてこの「濃厚接触者」は定義が変わっていっていることも興味深い。

本日現在、厚生労働省のホームページを見ると「濃厚接触者」に関し以下の記載がある。

マスクなしで陽性者と1メートル以内で15分以上接触があった人
(注:これが唯一の条件ではなく、これは複数ある定義項目の1つ。詳しくは厚生労働省のページを直接ご確認ください)

ここで定義されている陽性者との「距離・接触時間・マスク着用有無」が定期的にアップデートされていっている印象がある。

またマスクについても、これまではマスク自体を指定するような動きはなかったが、最近では「不織布マスク」を求めるのが主流となってきていて、捉え方に変化が起きている。マウスシールド(プラスチック製の透明マスクで、マスクと口の間に大きな隙間があるため感染防止の効果が薄いとされている)は完全に消えた。

4.ジョコビッチ

プロテニス四大大会の1つである全豪オープンが今年の1月に開催された。そこで全豪オープン・男子シングルスで三連覇中(全豪だけで合計優勝回数は9回)のノバク・ジョコビッチ選手が、コロナワクチン未接種を理由に今年の大会への参加が認められないこととなった。結果として、大会はラファエル・ナダル選手が優勝し、男子シングルス優勝回数21回で歴代単独1位。ちなみにジョコビッチ選手は、ロジャー・フェデラー選手と並んで優勝回数20回の歴代2位である。

このジョコビッチ選手は、コロナワクチンを接種しないことに関し次のように述べている。

・私は決して「コロナワクチンを打たない方が良い」と主張している訳ではない。私が主張しているのは「コロナワクチンを打つのか打たないのかは、個々人の自由である」ということ。

・私個人に関して言えば、食べるもの、飲むものを含め、自分の体の中に入れるものを絶えず慎重に吟味してきた。その上で、コロナワクチンは自分の体の中に入れない方が良いと判断している。自分以外の人に対して「コロナワクチンを打たないこと」を推奨している訳ではない。

・今世界全体が、ワクチン接種を通じてコロナという大困難を乗り越えようとしている状況は理解している。また世界中で大会が開催されるグローバルなスポーツであるテニスの選手である私が、コロナワクチンを打たないことで周囲に与える影響の大きさについても認識している。

・コロナワクチンを打たないことを理由に今後全ての四大大会から参加を断られたとしても、私はそれを受け入れる。なぜならば、優勝することよりも、自分の体に対してしっかりと向き合っていくことの方が私にとっては重要であるから。

【出典】https://youtu.be/rNaIMC4XMhc

ジョコビッチ選手の考え方に対しては様々な意見があり、またジョコビッチ選手の考え方が今後変わっていく可能性もある。私も、良し悪しではなく、1つの考え方として少なからず参考になった部分はある。

5.この先、進むべき道は?

コロナ、マスク、ソーシャルディスタンス、密、換気、ロックダウン、緊急事態宣言、まん防、水際対策、人数制限、PCR検査、抗原検査キット、陽性、陰性、微陽性、隔離期間、保健所、オミクロン、ワクチン、ファイザー、モデルナ、濃厚接触者、濃厚接触者の濃厚接触者、無症状・・・。

当たり前のように毎日使われる言葉たちであるが、ちなみに私は「ロックダウン」という言葉もコロナ禍になる以前は知らなかった。

今の日本は、コロナワクチン3回目の接種がどんどん広がっていくタイミングにある。そしてこの先はどうなっていくのであろうか。2022年2月13日、アメリカンフットボールの年間チャンピオンを決めるスーパーボウルの試合がロサンゼルスで開催された。全米中が熱狂するイベントは世界中にも中継されたが、そこに映っていたのはSoFiスタジアムに「密に」集まった7万人を超える観客であった。このように時代は前に進んでいて、もしかしたら日本も「抑え込み」から卒業するタイミングにあるのかもしれない。

話は変わって、一気に私個人のミクロな話になるが、私は今年、今一度自分の中でリモートワークを強化していきたいと考えている。コロナ禍で広がったリモートワークは、日本の場合、ここ最近、多くの会社で元の姿(出社、通勤)に戻っていっている。一方で海外を見渡すと、コロナ禍で広がったリモートワークがそのまま定着しているケースも多い。建設現場や接客業などリモートワークができない業種は別として、「コロナ禍で広がったリモートワークが元に戻る」状況は、「やっぱり直接のコミュニケーションが良いよね」という意見もあろうかとは思うが、私は「人間が自分の居心地の良い場所に戻ってしまう」現象と捉えている。その意味では危機感もある。つまり「コロナのようなタイミングを捉えて、たかが働き方ぐらいを一気にシフトさせられないようでは、この先の更なる大きな時代の変化に付いていけないのではないか」という懸念である。

今の時代は「先行きが不確定であることだけが確定している時代」などと言われることがあるが、だとすると、自分にできるのは臨機応変さを高めるための努力をすることぐらいである。

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